・見極めるために目を肥やす
・ほしいと念じていれば必ず手に入る
・感謝する気持ちが次へとつながる
こんにちは、斎藤です。
今回は、「~私と宝石との出会い~」をご紹介します
~ 宝石との出会い ~
私が宝石との縁について考えるようになったのは、二十数年前頃から「こんな宝石がほしい」と思うと不思議とその宝石が手に入る事に気が付いたからなのです。
そもそも私が宝石を集めるようになったのは、「これからの職人は加工の事だけではなく、宝石や営業のスキルも必要だよ」という親方の教えで宝石に関して学び始めた頃、ある業者から色見本になるからと勧められたパール連のネックレスを買ったのが始まりのように思います。
当時お金のなかった私が買えたのは変形玉でしたが、処理のされていないまさにホワイトパールカラーで色むらのないパール連でした。
これまでさまざまなパールを目にしてきましたが、このパールのおかげでその都度比較しながらパールを選別し、良いものを手にすることができました。最高級と言われるいろんな色のパールを見る機会もあり自分の目を肥やすことができたのです。
このパール連は三十年以上経ちますがいまだに変色することなく私の手元にあります。
海の状態が変化し、今では目にすることが難しくなったホワイトパールの色を時折眺めては目に焼き付け忘れないようにしています。
色石に関しても同じで、当初は大きなものは買えず、小さくても色の良いものを選んで買い集めていました。
ある日、気に入ったサファイアのルースがあったので買いました。ビルマ産で色が本当にきれいで濃いのですが見た目には輝きが分かりずらく、黒っぽく見えるものでした。
一般には、石の一部に色の帯や色だまりがある事で石全体がブルーに見えるものなのですが、これは2ctsの場面全体に色が入ったものでビルマ産の見本となる最高のサファイアだと思ったのです。
業者も「こんなに濃くて色の良いものはめったになく珍しい」と言っていました。
ある宝石の展示即売会で同じようなサファイアを見つけ、しげしげと見つめていると「この良さがわかりますか?なかなか素人さんには解ってもらえないのですが本当に価値のあるものなんですよ。これはプロ受けするサファイアなんです。」と教えてもらい、ちょっと自分の宝石を見る目に自信が持てました。
その会場にはエメラルドのブースもあったのですが、初めて見るムゾーとチボールのエメラルドの美しさに「私もいつかこんなエメラルドが持ちたい」と強く思ったのです。
サファイアの話に戻りますが、私の好みの色はビルマ産の濃いものでした。しかし、妻はビルマ産で色は少し薄くても輝きのある物の方が良いという意見でいつも対立してしまい、濃くて輝きのあるサファイアはないものかと話していたちょうどその頃、ダイアナ妃が身に着けているサファイアの写真を目にしたのです。
「あった! これこれ!」 と嬉しくなりました。
その時、カシミールのサファイアの存在を知り、どうしても手に入れたいと日々願っていたのですが
いろいろ調べているとすでに採掘されていない事が分かりガッカリしました。
それでも諦められずサファイアの話になるとカシミールのサファイアがほしいという思いが次第に強くなっていったのです。
そんなある日、「日本で宝石商をするための資金が必要なので買ってほしいサファイアがある」という話がきたのです。
「どんなサファイア?」と聞くと「高祖父から譲り受けたもので200年程前に現カシミール地方で採取された物らしく棒状の原石を1985年に数個にカットし研磨したものだ」というのでもしやと思い期待に胸を膨らませ見せてもらったのです。
「あっ!!」その中の一つに目を奪われたのです。
まさにロイヤルブルー(ラピスブルーともいう)。しかも、なんと無キズ。
待望のカシミールサファイアだったのです。
近年、カシミールと呼ばれるサファイアは色も質も悪く、採れなくなったので珍しいというだけでサファイアの中ではランクの低い物とされていました。
数個あった中にはその色に近い質の良い物があり、これが本来のカシミールだという意見もありましたが私の考えは決してそうではなく、自分の目を信じて別のを手にしたのです。
その後何年かしてカシミールを知っているという人にそのサファイアをお見せする機会があったのですが、こんなにすばらしいカシミールサファイアは今まで見たことがないと絶賛し、数時間も見つめておられたそうです。
このカシミールサファイアは私の一番の財産となりました。
似たような話でブラジルに帰るための旅費が必要だから買ってほしいというので譲ってもらったキャッツアイがあります。
父親がブラジルで宝石のバイヤーをしていて日本に留学する際、何かあった時に役立てなさいと渡され、品質のわかる宝石店へもって行きなさいと言われていたらしく、縁あって私の所へやってきたのです。
クリアな原石から採れたほとんどキズのないハニーカラーのキャツアイで稀少なものでした。
かねてからほしいと思っていたもので、今では私の大切なコレクションの一つです。
また、こんなこともありました。翡翠を買い付けに行った際、現地で翡翠王と呼ばれている方と隣席することになりました。翡翠を一番に買い取りコレクションしている事で有名な方だという事を聞き、今回は良いものは買えないだろうと半ば諦めていたのです。
ところが、翡翠を必死に探している私を隣で見ていたのでしょう?
「色も形も最高だけれど小さいので私はいらないから。あなた、よかったら買っておきなさい」と譲ってくれたのです。本当にうれしかったです。
私がほしかったビルマ産のジェダイトと呼ばれるろうかん翡翠で最高のものでした。
今回のまとめ
宝石との縁は人との縁。感謝の気持ちを忘れず願っていれば不思議と叶うものです。
今回はここまでにして、次回は「~宝石が宝石を呼ぶ~」をお話ししたいと思います。
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