2014年9月21日

店主:齋藤のこぼれ話


こんにちは、齋藤です。

今回は、「~加熱処理~について」お話しします。

一般的に言われているサファイア石の加熱処理とはどのようにされているのか、実際に見た人は少ないでしょう。

私は40年程前にタイを訪れた際、当時ビルマ(現ミャンマー)で行われていたいくつかの加熱方法の中で見せてもらえたのがサファイアの原石を麻か更紗という生地でくるんで練炭の穴の中に詰め、12時間以上だったと思うのですが加熱するというものでした。

途中の様子は見せてもらえなかったのですが加熱後の石を見せてもらいました。
どのような原石がどの青色になったかは教えてもらえなかったのですが無色の原石か有色の原石であるかは少しわかりました。

インクルージョンや気泡などがサファイアの石に色の変化をもたらすのだそうですが、ブルーの色の濃さがまちまちになったり、クラックが入ったりしてきれいに仕上がるのは少ないようでした。
何年か後、窯を作ったり、電気ローを使って加熱するようになったと聞いています。

加熱してもきれいに仕上がる原石がなくなってきたせいなのでしょうが最近では非加熱であるからと言って照りのない色やあまりよくないアクセサリークオリティのものを本来のジェムクオリティを無視して高評価しているようですがいかがなものでしょう。

また、加熱した宝石は色が変わるとも言われているそうですが、私は50年以上経つ加熱石の色が変わったなどと聞いたことも見たこともありません。

30年程前、インドの宝石商と出会ったとき、300年前に採れたカシミールサファイアと言われるルースを見せてもらいました。
8.5ct、9.6ct、10.7ctと3個あったうちの10.7ctを譲ってもらったのですがこのサファイアの色はラピスブルーと言われる青色で見た人に感動を与える色です。
もちろんジェムクオリティの素晴らしいサファイアです。
現在カシミールと言われている色とは全く違います。

このサファイアを手に入れてから次々に起こった不思議な体験談を次回お話ししましょう。

今回はここまでにして、次回は「~人にとっての宝石とは何か・宝石のパワー~について」をお話ししたいと思います。

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