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2017年4月10日

オンリーワン・ナンバーワン

・ダイヤモンドのランク分け

・日本人が手にできる宝石

・宝石商・加工職人のプライド


こんにちは、齋藤です。
今回は、「~宝石業界において日本が置かれている状況~」を説明します。


オンリーワン・ナンバーワンを見極める

 日本では、ダイヤモンドのクラス分けを4Cで表していますが、世界市場では、カットされる前の原石からすでにランク分けされているのです。
 
 透明度の違いを分かりやすく説明するために同じダイヤモンドを次のようにして見た時の状態を悪いものから順に挙げてみます。

①すりガラスを通して見たような感じのダイヤ
②半透明なビニールを通して見たような感じのダイヤ
③透明なセロハンを通して見たような感じのダイヤ
④透明なガラスを通して見たような感じのダイヤ
⑤ノーマルな状態で見たダイヤ
 
と言った様に透明度の差によってランク分けされているのです。
 
 ダイヤの中に発光体でも在るかのように光って見える物ほど透明度が良くクオリティの高いダイヤモンドと言えるでしょう。

 透明度の高いものほど光の反射によって強く光る訳ですが、気を付けなければいけないのが、ダイヤに施されたカット面がキラキラ光って見えているだけの物もあるという事です。一見同じように光っていると思われがちですが、原石で比べると全く違う物ですのでランク分けされると雲泥の差があります。
 けれど、日本では4C表記が重視され、透明度に関してはあまり触れられません。
ですから、本当に質の良いものを手に入れたいなら4Cに惑わされることなく透明度の良さを見極める必要があります。

 ダイヤモンドと言えば宝石として認識されていますが、工業用として使われるダイヤモンドもあるのです。 
 同じ1ctサイズのダイヤでも透明度の高い宝石として認められる物は100万円以上しますし、すりガラスの様な光らない工業用ダイヤとして扱われる物は数万円であります。

 宝石商として長年宝石に携わってきた私が、今、腹立たしく思うのは、この工業用ダイヤをキャスト枠に入れてジュエリーとして販売しているメーカーがあるという現状です。
アクセサリーとして楽しむというのならまだしも、ジュエリーと称されるのはいかがなものでしょうか?私には受け入れがたい現実です。

 十数年前になりますが、私が大変ショックを受け、悔しく悲しい思いをした話です。
 
 取引先だったダイヤモンド会社の社長の持ち物だというダイヤモンドのルースを見せて頂いた時の事です。私はそのダイヤのあまりの美しさに言葉を失ったのです。

社長から
「あなたは、日本で唯一ダイヤモンドが見分けられる人だ」と褒めて頂いたのですが、
調子に乗った私は
「ダイヤの原石を見せてほしい。できるなら買いたい」とお願いしてみました。
すると
「あなたでも原石を見分けるのは難しいだろうからワンカット入れてあげます。」
「どのランクの物がほしいのですか?」と聞かれ、
軽い調子で
「VSクラスのDカラーの物」と答えたのです。
ところが
「原石と一言で言うけれど2000種類に分けられているのですよ!」
「何番目あたりのVSクラスですか?」と聞き返され、
訳が分からなくなった私は、原石を手に入れるのは諦めました。
 
 よくよく聞いてみると、ダイヤモンドはカットされる前の原石で2000にランク分けされる事、ランクごとにカットされたダイヤに4Cのクラス付けがされる事、さらには、日本に輸出されているダイヤモンドは、1000番以下のダイヤであるから、上位ランクのダイヤモンドを日本人が目にする事は無いと聞かされ、日本が置かれている状況をその時初めて知ったのです。
 以前、私は、これまでに見たことがないとてもきれいなダイヤモンド手に入れたことがありました。「こんなきれいなダイヤはめったに手に入らない」と言われていたのですがお金さえ出せばいつでも買える物だと思っていたのです。
 そして、あるバイヤーから聞いた宝石を手に入れられる優先順位の話を思い出さずにはいられませんでした。
 それは、宝石が採れるとまず欧米へ持って行くのでそこで大粒で良いものは売れてしまうという事、アジアを回って最後に日本に入ってくるので良いものは残っていないという事。ただ、ヨーロッパでは小さいものは売れないので小粒であれば良いものが手に入る可能性はあるという何とも言い難い悔しい話でした。
 ですから、この話を聞かされた時は大変大きなショックを受けましたし、受け入れなければならない現実だという事を改めて思い知らされたのです。
 最近の日本における宝石業界の状況を見ても、追い打ちを掛けられるかの如く、先代から宝石を受け継いだ人達がその価値を知ろうともせず手放してしまい、いつの間にか日本から良い宝石が消えてなくなっているという現状が只々悲しいばかりです。

 
私は、宝石商であり、加工職人でもあります。
 
 嬉しい事に、ダイヤモンド会社の社長から日本の加工技術を絶賛して頂きました。
「リングを0.05㎜ずつ手で削る技術はすごい」と言ってくれました。
私は
「その様に削れるヤスリがある事がすごいのです」と答えたのですが、残念なことにそのヤスリも今では手に入れることができなくなりました。
ヤスリを作る業者もなくなり、海外の物に頼るしかないのが現状です。

「ヤスリで削る技術だけでなく、ハンマーで0.06㎜まで厚みを調整する技術も受け継がれ
 ています」
「私の親方は、京都で明治から大正そして昭和へと受け継がれてきた技術をその時代と共
 に進化させながら弟子達へ伝承している人で、私もその技術を受け継いだ一人です」と伝えると
「ダイヤモンドの研磨技術も同じです」と言われました。

・アポロンエイトカット(八本の矢が見える究極のカット)
・144面カット
・ブリッジカット(一面一面反射角を見ながらカット)

これらのカットは、カットマン(研磨職人)の技術によって生み出されてきたのです。
このダイヤモンド会社の社長もかつては優秀なカットマンだったそうです。

社長は、私の事を
「日本人には珍しく、オンリーワンかナンバーワンなのかを解って話をする人だ」と言いました。

ダイヤモンドで例えるなら
ピンク・ブルー・イエローなどのカラーダイヤは特殊なダイヤモンドでオンリーワンと言えるでしょうし、数少ないクオリティの高いダイヤモンドはナンバーワンだと言えるのでしょう。
 そして何より肝心なのが、それらを見極められるという事です。

 本物や究極を見極める重要性を、同じ職人として分かり合える気がしました。

・フローレス・ファンシーピンク
・フローレス・クリアー(高い透明度)・アポロンエイトカット
・VVS2・ファンシーライトピンク・(非常に高い透明度)

 これらオンリーワンの中のナンバーワンと言えるダイヤモンドを縁あって私は手に入れることができました。
 また、これから先これらの宝石を見られる人・手に入れられる人は宝石や私との何かの縁や運を持ち合わせ、その良さの違いが解るほんの一握りの人達なのでしょうし、今の日本の状況でそれを望むのは、大変難しい事かも知れませんが、一人でも多くの人が本物の宝石(オンリーワン)・究極の宝石(ナンバーワン)を探し求めてくれることを願います。




とめとめこまで)
まとめ強調部


今回はここまでにして、次回は「~~について」をお話ししたいと思います。

2013年6月11日

宝石を勉強したい方への参考書のご紹介

ご無沙汰しております、Web担当の方の斎藤です。
店主が体調不良のため、しばらく更新停滞しておりました。

当ブログの更新を楽しみにして頂いている方には大変申し訳ないのですが、
もうしばらく更新停滞しそうです…。

というわけで、
今回は「とにかく宝石をもっと勉強したい!」という意欲のある方のために、
参考書になりそうな「おすすめの本」をご紹介したいと思います。


宝石を勉強したい方におすすめの本


おすすめ その1:宝石の基礎知識について

  • 「宝石1 ジュエリー ― その品質と価値の見方」  諏訪 恭一
  • 「宝石2 ジュエリー ― その品質と価値の見方」  諏訪 恭一
  • 「宝石3 ジュエリー ― その品質と価値の見方」  諏訪 恭一

おすすめ その2:鑑定について

  • 「宝石 小宇宙を科学する Ⅰ 主要宝石の世界」  志田淳子

どちらのおすすめも、宝石の道を志す方でないのであれば、
わざわざ購入まで考えなくともいいと思いますが、
図書館で借りるなりして、探してでも一読するだけの価値は十二分にあります。

特に当ブログの話が、何やらさっぱり分かりにくいという方は、
諏訪さんのシリーズをお読みになるとよいでしょう。

諏訪さんの宝石に関する見解は、当店の店主ともほぼ同じで、
きちんとした世界基準での宝石の見方のお話になります。

当ブログで今まで話してきたことを含む、
宝石に関するあらゆる基礎知識が詳細に書かれていますので、
とりあえずこちらのご本を一通り丁寧に読み込んでください。

そのあと、もう一度当ブログの記事を振り返って頂くと、
「この話はそういうことだったのか!」とご理解頂けるのではないかと思います。

では皆様も体調には十分お気をつけくださいませ。

2012年11月12日

いろはの「い」 ~宝石の3つのクオリティとは?~


・クオリティとは宝石の「品質」のこと

・「品質」とは主にその宝石の透明度の差のこと

・宝石はクオリティによってその用途が決まっている


こんにちは、Web担当の方の斎藤です。
今回は予定を変更して、技術編(1)の続きの前に、
少し「宝石のクオリティとは何なのか」についてお話ししようと思います。

宝石のクオリティとは何か

うっかり基本で一番大事なことを忘れていました。
これまで宝石について基本的と思われる情報をつらつら記事にしてまいりましたが、

「クオリティって結局なに?」

「どんなのがジェムクオリティなの?」

「ジュエリーとか普通の宝石と何が違うの?」

というような疑問を皆様お持ちかもしれませんね。

私ども自身は、このようなことは宝石屋として
知っていなければならない常識とも言える知識なんですが、
それゆえに「このぐらいならみんな知っているものだろう」という先入観があって、
どうも一般の皆様が何を知りたいのか、疑問に思われるのか、
ちょっと予想がついていない状態です。

よろしければ「こういうことが知りたいんだよ」とお声を頂けると助かります。


では本題にまいりましょう。

まず、今まで話の中で何度も出てきた「クオリティ」というのは、
つまりはその石の「品質」のことです。

採掘された宝石は、まずその品質の差によって、
アクセサリークオリティ・ジュエリークオリティ・ジェムクオリティ
の3つのどれかに必ず仕分けられます。



つまり、
品質のものすごく良いものが、
ジェムクオリティ

ジェム未満ではあるが良いものが、
ジュエリークオリティ

ジェムとジュエリー以外の他すべてが、
アクセサリークオリティ
ということです。
比率にすると左図のような感じになります。



さて、「クオリティ=宝石の品質」とわかりましたが、その「品質」とは何なのか。

クオリティが決まるタイミングは採掘されてすぐ、「原石の時」です。

磨きもカットもしない状態で、何を見てクオリティを決めているのか?
答えは、主にその「透明度」、色石なら「色」もです。

「色」の話まですると話が複雑になるので、今回はちょっと置いておいて、
今は一にも二にも、宝石はその「透明度」が高いものほど「美しい」
ということだけ念頭に置いておいてください。

つまり、ジェムクオリティやジュエリークオリティになる原石は、
採掘された時点で、とても透き通った美しい原石なのです。
「持って生まれた美しさ(透明度)」というものですね。

そうして採掘されたその美しい原石は、
現地の人のその磨き上げられた眼識によって、
ジェムクオリティなのか、ジュエリークオリティなのか選別されるのです。

つまり宝石の「品質」は、「原石の時」に現地の人の「目」によって決定されるんですね。
タイとか、現地の人の「目」は、それこそ星の数ほど宝石の原石を見ているわけですから、
目利き的な意味でも、そして視力的な意味でも日本人よりはるかにいいので、
その選別は、とても正確で信頼のおけるものです。

「クオリティの違いってそんなに違うものなの?」と思われた方のために、
ちょっとこのクオリティの透明度の差がどれほど違うのか、
身近なもの、たとえば「水を入れたコップ」で表現してみましょうか。
それぞれクオリティに合わせたコップを選ぶとこんな感じです。

ジェムクオリティ      : 透明なガラスのコップ
ジュエリークオリティ   : 透明なガラスコップにラップを何枚か(1~2枚くらい)巻いたもの
アクセサリークオリティ  : 牛乳を飲んだ後の上記のコップ

それぞれのコップを横から見ると、背景の見え方が全然違ってきますよね。
この透明度の差が、それぞれ3つのクオリティの差だと思ってください。
並べると違いがよくわかると思います。

色石はこれにちょっとずつ同量のカラーインクでも垂らしてみてください。
まあ色がつけばいいので、お茶とかウイスキーとか、
濁ってない透明なジュースでもいいんじゃないでしょうか。
そうすると色がついたところで、透明度は変わらないことがお分かり頂けると思います。

ところで皆様、
「透明度の差はわかったけど、光り方なんて磨けば変わる」とか、
「どんな石もカットすればきっとキラキラする」なんて思ってらっしゃるかもしれませんね。
でもちょっと考えてみてください。

たとえるなら料理と同じです。
素材が良ければよりおいしいものが作れる。
だから専門店は素材からこだわるわけです。
素材がよければ、仮にプロの料理人ではなく普通の主婦が料理したって、
そこそこおいしいものが作れるでしょう。

でも腐った素材で料理したとしたらどうですか?
腐った野菜や肉なんかで料理を作ったって、とても食べれたものではないでしょう?
プロが作ったって腐ったものを、食べれる料理に「変身させる」ことはできません。
それと同じです。

宝石の透明度にこだわる理由は、透明でなければ、
いくら反射するように計算してカットしても、光は思ったように反射してくれず、
結果的に石が光らないからです。
宝石が本来持つべき、キラキラ鋭い光にはならないんです。

透明度の高い宝石が持つキラキラ鋭い光が、カーテン全開のガラスの窓だとするなら、
透明度の低い宝石が持つ弱い光は、カーテン全開でもすりガラスの窓です。

要するに、磨きもカットも言ってみれば、最終的に人間側で施す「化粧」です。
もともと、そのような研磨技術やカット技術は、
美しいものをさらに美しく見えるようにするために考えられた加工技術なのです。

ですから、ジェムクオリティは言うまでもなく、すっぴん(原石)でも美しい。
でも磨いて化粧、カットしてドレスアップすると、
美しいお嬢さんが、さらに美しいお嬢さんになるというだけの話です。

ジュエリークオリティも、ジェムには劣りますが、
美しいことには違いありませんので、
磨いてカットしてやれば、美しいお嬢さんの出来上がりです。
もとが良ければさらに美しくなるのは変わりません。

ですが、アクセサリークオリティは
もとの素材が悪いので、後からどれだけ化粧しようとも、
残念ながら光り輝く美しさにはなれない石なのです。


お分かりいただけたでしょうか?
つまり、一言でまとめるなら「クオリティ=原石の品質」の違いってことです。
クオリティに何度も言及するのは、
本当に良い宝石を買うためには、「良い宝石は素材から違う」ということを知らなければ、
全く見当違いの買い物をしてしまうことになりかねないからです。

どういうことかというと、宝石はそのクオリティによって用途が違うのです。

ジェムクオリティの石は、
主に加工はされずルースのまま、観賞用の宝石として使われます。

ジュエリークオリティの石は、
文字通りジュエリーなど高級貴金属の装飾用の石として使われ、

アクセサリークオリティの石は、
ジュエリーよりも安価なファッション用貴金属の装飾用の石として使われるのです。

つまりクオリティによる「役割分担」です。
そしてそれぞれの用途は、
いわば専門職のようなもので独立しており、互いに絶対不可侵、
アクセサリークオリティの仕事は、アクセサリークオリティの石だけ、
ジュエリークオリティの仕事は、ジュエリークオリティの石だけ、
ジェムクオリティの仕事は、ジェムクオリティの石だけができるものと決まっています。

宝石文化はそもそも西洋からの輸入物ですので、
西洋文化の「階級社会」のしきたりが、
宝石の世界にも当てはまる、と思っていただければいいと思います。

つまり間違っても、アクセサリークオリティの石がジュエリーに使われたり、
ジュエリークオリティの石が観賞用宝石にはなれませんし、
してもいけません、ということです。
医師免許を持ってないのに、医者をやるのと同じことです。
そもそも資格がないのです。

このように厳しく秩序を守ることで、宝石そのものの価値が守られているのです。

そう考えると、日本でジュエリーに
アクセサリークオリティの石が使われていることは、
とても看過できることではないんですよね。

ともあれ、これで皆様にも「クオリティ」が、
宝石において、いかに無視できない重要な要素であるか、
なんとなくお分かりいただけたのではないでしょうか?

皆様が宝石をご購入の際は、まずご自分が、
身を飾る装飾品を探しているのか、資産にするために探しているのかなど
「どのような用途の宝石をお探しなのか」、
目的を明確にした上でお探しにならないといけません、ということです。

そうすると、目的の宝石はジュエリークオリティであるとか、
ジェムクオリティであるとかがはっきりすると思います。

仮にジェムクオリティをご希望だったとして、
今までの話で「クオリティ」について十分にご理解頂けたのであれば、
どこに探しに行くべきかそうでないかは、なんとなく見当がつくはずです。

当然「ジュエリーを扱っているお店」ではないことは分かりますよね。
うっかり間違って入ってしまっても、
そこで「この宝石は高品質なんですよ」とすすめられたものは、
あなたのご希望のクオリティではないことも、きっともうお分かりになっていることでしょう。

遅筆で申し訳ありませんが、これからも少しずつ
お役に立てるような情報を提供してまいりますので、
ぜひ皆様一緒に「宝石の買い方マスター」目指しましょうね!

ということで、今回のまとめ

「クオリティ」とは宝石の「原石の品質」のことであり、
宝石はそのクオリティによって用途が違います。

そして、皆様が宝石をお買い求めになるときは、ご自分の用途に合わせて、
まずその宝石の「クオリティ」を選ぶことが必要だということです。

つまり、「価値のある良い宝石」は、原石(素材)からして上質であり、
ジェムクオリティとして他のクオリティとは
厳格に明確に分けられているので、上質の宝石が欲しければ、
ジェムクオリティというグループの中から探す必要がある、
ということです。


次回も、都合により予定を変更して「宝石の色の見方について」お話ししたいと思います。

2012年8月12日

宝石業界いろはの「い」 ~世界と日本の違い(5)-2~

・ジェムを直接見られる機会(方法)は4つ

・ジェムは一般ルート(一般市場)よりも特殊ルート(隠れ市場)の方が出会える確率が高い

・隠れ市場とは目を養えば誰にでも開拓できる鉱山主から直輸入の卸のルートのこと


こんにちは、Web担当の方の斎藤です。
前回に引き続きまして、後編になります。前編はこちら。


どうすれば宝石を見る目を養えるか (後編)


さて前編では、宝石を見る目を養うためには、
ジェムを見ることが一番の近道であることをお話ししました。

では、その一番の教科書であるジェムは、どこへ行けば見ることができるのか?
この後編ではそれをお話ししていきたいと思います。

これからご紹介するものは、あくまで日本人でも
「直接」ジェムを見られる機会を得られそうなもの、という点に絞りたいと思います。

まず一つは、オークション
ハンマーでコンコン!ってやるタイプの本格的なオークションの方です。
たとえば、頭文字がSとかCの某大手オークションには、時々宝石も出ていますね。
ああいうところに出される宝石は、鑑定書をつけないと出品できません。
逆を言うと、鑑定機関が鑑定書をつけられないような、
珍しい宝石はオークションに出すことはできないのです。


二つ目は、展覧会
宝石専門店主催で過去に何度かジェムの展覧会を開かれています。
そのような機会があればぜひ、と言いたいのですが、
今のところ、今後の開催の予定は聞いたことがありませんし、
たとえあったとしても、日本での開催はちょっと期待できないかもしれません。

ちなみに、海外の博物館等に展示されている宝石も
一応、ジェムに区分されるものがありますが、
当時の掘削レベル、研磨レベルともに現代に比べるとなにぶん差がありますので、
見てみて「わあ、大きい!」とは思っても「わあ、すごくきれい!」というような
感動はあまり得られないかもしれません。

つまり、見る目を養う「教科書」としては、あまり使えないと言えます。


三つ目は、個人所有の物を見せてもらう
国内でもご家族や知人が大事に所有されているものがあるかもしれませんし、
海外に限らず偶然出会った鉱山主に気に入られれば、
ジェムを見せてもらえる可能性はあります。
これは人間関係だけの問題ですので、どなたにも新しく道を開くチャンスがある、
という点で言えば最も平等かもしれません。

その他可能性として、あなたがお金持ちなら
大手宝石専門店のVIPになるとか、その上でお金を積めば、
もしかしたら、その金額相応のジェムは見せてもらえるかもしれませんし、
そうじゃないかもしれません。
こればっかりは私どもが一般のご家庭クラスなのでわかりません。想像です、すみません。


四つ目として、国内のジェム取扱店を探す
買いつけの関係で知り合った海外バイヤーから
日本国内でも、まだ3店舗ほどジェムを扱っている店があると聞きました。
そのうちの1店舗が当店になります。

この情報は十数年前のことで少し古く、
現在も他の2店舗がジェムを扱っているかどうかは不明です。

さらに申し訳ないことに、詳しいことは聞きそびれてしまってそれ以来ですので、
場所はおろか、店名すらご紹介できないのですが、
もしあなたのお近くに、そのようなジェム取扱店をご存じなら、
ぜひ教えていただけますと幸いです。

そして、ぜひともそちらへ伺ってみてください。
もし遠方であっても「当店でジェムを見てみたい」とお考えで、
当店にお越しになりたい方は、店舗案内はこちらになります。
ひとまず、私が現時点で、確実かつ責任もって
ジェムを取り扱っている、とご紹介できるのは当店のことだけです。
どこの業界でもそうかもしれませんが、
この業界もあまり横のつながりがないのが弱点ですね。

以上で、私がご紹介できる「ジェムを直接見られるであろう場所」はこれで全部になります。

あなたのやりやすい方法で、ジェムを直接目にしてくださいね。
ジェムを見れば見るほど、あなたの目もそれだけ養われます。


ちょっと待って!
国内にジェムはないって以前言ってたのに、
なんでジェムを扱ってるの?どういうこと?って思われた方。

それは卸のルートが違うからです。
いわゆる一般市場が正規ルートだとするならば、当店のルートは特殊ルートと言えます。

あ、特殊と言っても、いかがわしくも怪しくもありませんよ。
この特殊ルートというのは、「宝石の目利きができる方」であれば、
誰でも開くことができるルートなのです。

例えると、正規ルートが「誰でも知っている一般市場」なら、
特殊ルートというのは「知る人ぞ知る隠れ市場」という、
そもそも宝石の市場が別である、と考えてくださった方がいいです。
つまり、現在国内にはこの隠れ市場が、1つないし3つはあるということですね。

せっかくですので、宝石が入ってくるルートの仕組みをここで説明しておきましょう。
大体の流れはこうだと思います。

正規ルート
   ↓  
鉱山から掘り出し(鉱山会社)
↓    ↓
バイヤー  直輸入
↓    ↓
宝石店(一般市場)
↓
お客様(日本を除く)

宝石の正規ルートというのは鉱山から宝石を掘り出して、
それをバイヤーが買い付けて、
そのバイヤーから宝石店が宝石を買い、そこからお客様が買う。

バイヤーは店が直輸入ならいないこともあります。
まあ、よくある一般のお買いものの流れと同じです。

ところがここでミソなのは、ほとんどのジェムクオリティは
この流れの中には入っていないということなんですよ。

ジェムは①鉱山主 ②注文の順で一番良いものから抜けていきます。
そして大体②の注文の時点でジェムは売り切れになり、
③で残りの宝石をバイヤーが見繕う段になってからでは、
その中にジェムがあるかな?どうかな?という状況です。
仮にあったとしても、それは大手が買わないような、
注文外の本当に小さなジェムということです。

ジェムの流れを追うとこうです。

正規ルート
  ↓  
鉱山から掘り出し(鉱山会社) →①鉱山主
↓
    宝石店(大手)のジェムの注文 →②注文(予約)優先
↓
              残りの宝石 ←③ジェムが残っているかどうか?
↓    ↓
バイヤー  直輸入
↓    ↓
宝石店(一般市場)
↓
お客様(日本を除く)

このように、鉱山会社が掘り出した一番良いジェムクオリティは、
掘り出された原石の時点で、そのまま鉱山のオーナーが持っていきます。
前にも書きましたが、これは鉱山主の特権ですね。
その次に良いものは、順次、宝石店等の注文の条件に合致すればそちらに優先されます。

注文というのは、鉱山会社に対して宝石店が、
提示した条件の宝石が採れたら売って頂戴ね、と依頼するということです。
この注文はとてもお金がかかるので、
この宝石店というのは、注文できるだけの力のある「大手宝石店」のことです。
つまりそれ以外の、注文まではできない中小企業が、
いわゆる一般市場ということになりますね。

話を戻しまして、たとえば、ある大手宝石店がサファイアの3カラット以上で、
色・内容物はこれくらいのSランクという感じで注文したとします。

ではそういうサファイアがすぐ採れるか、というと当たり前ですが自然の物なので、
注文してすぐ物を受け取れるものではありません。
宝石店は、注文しても年単位で長ーく品が採れるのを待たなければならないのです。
まあ、つまり、「注文する」=「いつ品が届くかわからない予約をする」ってことですね。

そして、さらに最初の注文がまだ完了していないうちにも、
鉱山会社には次から次と別の注文が入ってきます。
そういうわけで、一般市場にジェムクオリティが回ってくるケースというのは、
それらの注文から外れたものだけ、ということになります。

ですが、まあ、大体注文した条件でなくとも、
ある程度大きさのあるジェムなら、大手宝石店に買われてしまうでしょうね。
ですので、「注文から外れた本当に小さなジェム」なら
一般市場に出回る可能性がある、と訂正しておきましょう。

つまり一般のお客様は、
ジェムを購入しようと思った時には、すでに長蛇の列の最後尾なんですよ。
そして一番良いジェムは決して手に入れられない、
これがいわゆる「正規ルート」というわけです。

ちなみに日本にジェムがない理由は、
日本がこの長蛇の最後尾にも並ぶ資格がない、
と並ばせてもらえないからでもあります。


では特殊ルートはどういうものかというと、当店の場合はこうです。

特殊ルート
↓
鉱山主
↓
宝石店(当店)
↓
お客様(日本も含む)

おわかりでしょうか?購入先が違うんです。
目利きができる人は、一番きれいなジェムを持っている
鉱山のオーナーから、直接ジェムを買っているんです。

鉱山主はお金持ちなので、
お金を積んで売ってくれと頼んだところで、
そんなもの腐るほど持ってるのでいりません。
彼らは自分の持っている宝石がいかに美しいか、
その美しさの価値観を共有できる友達が欲しいのです。

だから宝石の目利きができるのであれば、
直接鉱山主に掛け合って、ジェムを見せてもらうのが、
一番手っ取り早く最も良い宝石を買えるチャンスになるというわけです。
これが「特殊ルート」というわけです。

当店の店主は、日本人ながら
最初から目利きができるという稀な変わったお人でしたので、
このように直接、鉱山主からジェムを分けていただいております。
当店にジェムがある理由はこんな感じですね。
そして日本では、この特殊ルート経由でしか
ジェムにはお目にかかれない、ということもおわかりいただけましたでしょうか?

このままでは本当に日本からジェムがなくなりかねないので、
日本人にはできる限り、一人でも多く、宝石の目利きができるようになってもらって、
市場にジェムを取り戻したいというのが私どもの本音です。

ですので、当店は「買うのはちょっと」と思っていらしゃる方でも、
目を養いたい、ジェムを一度見てみたい、または、
このブログではわかりにくいから直接話を聞いてみたい、という方も歓迎しております。

ご連絡にはお電話(店舗案内)、またはWEBはこちらのフォームからご一報ください。
そのような方にお目にかかれることを心よりお待ちしております。

今回のまとめ

一般市場にはジェムは存在しませんが、隠れ市場にはあります。
でも、隠れ市場もいずれは消えてなくなってしまう可能性があるんです。
親が目利きできるからと言って、子が目利きできるわけではありませんから。

財産にするならやっぱり、
紙よりも目で楽しめて価値もほぼ不変の宝石をお奨めしたいですね。
あなたも市場のあるうちに見る目を養って、
財産にするなら美しい宝石の方を選んでください。


一人でも多くの方が宝石が財産になることを知って、
財産になる宝石を選べる日本人が増えてくださることを願っています。


次のテーマは「加工」について。
よくある貴金属のトラブル等と絡めて、「手作りとキャストの違い」についてお話ししようと思います。

2012年7月20日

宝石業界いろはの「い」 ~世界と日本の違い(5)-1~


・宝石を見る目を養うには「ジェム」を見ることが一番の近道

・見るのは一つをじっくりでもいいし、ウィンドウショッピングのように数を流し見でも構わない

・宝石を見る目はいわば感覚なので、覚えれば忘れるようなものではない


こんにちは、Web担当の方の斎藤です。
前回に引き続き、
世界の宝石業界と日本の宝石業界がどれだけ違うのか、何が違うのかに関連して、
「宝石を見る目を養うには」についてご紹介します。
この記事はシリーズになります。前回の記事はこちら。


どうすれば宝石を見る目を養えるか (前編)

さて、前回、日本人は宝石を見る目がないので、
価値のある良い宝石を買うためには、見る目養うことが一番の近道である、とお話ししました。

では、どうすればその宝石を見る目を養うことができるのか?
今回は話の構成上、同テーマを前後編に分けてご紹介したいと思います。


どうすれば宝石を見る目を養えるか?
一番手っ取り早くて、最も効果的なのは、「本物」をなるべくたくさん「見る」ということです。

本物とはこの場合ジェムクオリティの宝石のことです。
骨董品にしても絵画にしても、まず本物を知らなければ贋作はわかりませんよね。
日本人が目利きできないのは、そもそも、その「本物」を知らないからなんです。

話を聞いたり、本で勉強することももちろん大事なことですが、
何度と話を聞くよりは、美術館などで
展示されている実物を見た方が早いと思うはず。
つまり、物の違いを知るには、「百聞は一見に如かず」という言葉通り、
実物を見るのが一番早く、得るものも大きいことを、
皆さんはもともとよくご存じなんですね。

そして美術品では本物を見ずに、
逆に贋作ばかり見て本物を知るという方法がありますが、
宝石は偽物を見るよりも、ストレートに本物を見た方が目利きの上達が早いです。

職人の方の斎藤もとい店主曰く、「宝石は習うよりも慣れるもの」だそうです。

というのも、人間の脳というのは、本当にすごく性能がいいので、
一度本物の輝きを見れば、それを覚えてしまうからです。

たとえじっくり見ずに、ウインドウショッピングのように流し見であったとしても、
その間にも脳はしっかりジェムの光り方を覚えています。
そして、ジェムの輝きを脳が覚えてしまえば、
ほかのクオリティの宝石を見たときに
「あ、何か違う」と感じていただけるというわけです。

最初のうちは、このなんとなく何か違う、っていう感覚が大事なんですよ。
まあ、実際ジェムを見られたお客様は、
見た瞬間に「全然違う!」って驚かれる方が多いですが。

ですから、できるだけ上から何番目という番号の若いジェムを
一度でも見ることができれば、目を養うにはこれ以上ないくらい
最高の方法と言えるでしょうね。

なんだか難しいって腰がひけてませんか?
心配せずとも、目を養うっていうのはそんなに難しい話ではありません。
そもそも宝石というものは感性で見るものであって、
頭で考えるようなものではないと思うのです。

誰だってきらきら輝く透明な石を見て、
「汚い石ね」なんて思う方はいませんよね。
どちらかというと「きれい」だと感じる方の方が多いことでしょう。
つまり、もともと人間は、美しいものを美しいと思える感覚が備わっているんです。

ですから、あとは前述の「習うより慣れろ」って言葉のとおりです。
あっちよりこっちの方がきらきらしてるわ、って思えればいいのです。
それに慣れてしまえばあとは絶対に忘れません。

たとえば、自転車だって経験して、
何度もこけては体でバランス感覚を覚えたはずです。
そうして体で覚えたものは、長年乗っていなくても
ちゃんと自転車に乗れますよね?

あとは、そう、普段使ってるお味噌を変えただけで、
何か味が違うって違和感をもったり。
これって普段使ってるお味噌の味を、
あなたの舌が覚えているからですよね。

それと同じように、感覚(=体)を通して
あなたが「感じた」ものはあなたの中に必ず残ります。
そうして、きれいだと思う物の見方でさえも、
ちゃんと体が覚えてくれているという話なんです。
人間の体ってすごいですね。

そういういわけで、
「どうすれば宝石を見る目を養うことができるのか」という、
そのはじめの一歩は、
ジェムクオリティの宝石を見ること、というわけです。


ところでなぜ、見るものにいきなりジェムクオリティをお薦めするのか?
段階を踏んでとりあえずジュエリークオリティから、としないのは、

やはり店主曰く、「下はキリがないけれど、ピンはあるから」とのことです。
宝石と一口に言ってもピンからキリまであるのは、皆様もご承知の通りです。
でも一番上のピンを知っていると、変わってくるものがあります。
そう、お買い物の仕方が変わってくるんですね。

わかりやすく言えば、
エルメス等のブランド品の良さを知っている方は、
量販店の財布やバッグなど買いたいとは思わない、というのと同じです。

ブランドという上質のとても良いものを知っているのに、
どうしてそれ以外の、しかもあえてクオリティの低いものを買う気になれますか?
買う時は他の財布に目もくれず、
最初からそのブランドの売り場を見に行くんじゃないでしょうか?

ということで、
これから価値のある宝石を買いたい、だから見る目を養うぞ、
と思っている方が必要とされるべきは、ジェムだけってことなんです。
財産価値があるのは、ジェムクオリティだけですから。

つまり、一番さえ知っていれば、あとは目に入らなくなるんです。
そして、より美しいものはあなたの中で「上書き」される。
私はもっと上を知っているから、
それよりもっと美しいものを見せて欲しい、となるわけです。

これが「見る目を養う」ということなんです。
なんとなく、お分かりいただけたでしょうか?


余談になりますが、
あくまでジェムを見て目利きの仕方を覚えるというのは、
正攻法でありながらその実、突貫工事です。
もちろん、(プロとして)確かな目利きができるためには、
きちんと知識に裏付けされている必要もあります。

宝石がどういうものか、
宝石自体を学問的に学ぶ必要もありますし、
光の三原色やら色の三原色やら、
他にも学んでおいてほしいことは山ほどあります。

でも、一番良い教材は教科書ではなく、
やはり宝石そのものだということなんです。
なぜなら、そもそも紙の上の発色と、
光だけで見た色というのは根本からして違いますし、
色だけに関して言えば、
紙媒体の教科書というものは使い物になりませんので。

詳しいことはまた今度にしますが、
この辺りの色の見方の違いと言うか感覚が、
海外と日本での決定的な違いですね。
宝石を触るにあたって、わりと困る感覚の違いだと思います。

そしてもう一つ、先にもちらっと書きましたが、
ほとんどの日本人は、ジェムクオリティという本物を見たことがありません。

目利きができるということの意味は、
「実物を知っていてそれと比較ができる」ということです。
そもそも実物のジェムがどいうものか知らないで、
いったい何と比較しようというんでしょう?
想像だけで目利きをしようなんて人は誰もいないと思います。

そういう意味でも、ジェムを見るということは、
見る目を養うための基本であると言えると思います。


今回のまとめ

宝石は「百聞は一見に如かず」、「習うより慣れろ」で、
価値のある宝石を買うための見る目を養いたいのであれば、
ジェムを見ることが一番の近道であり、はじめの一歩です。
ってことですね。



さて、見る目を養うために、どんなものを見ればいいのかわかったところで、
問題は、その肝心のジェムが「どこへ行けば見られるのか?」ということなんです。
それはまた次回、後編でお話ししますね。

2012年5月7日

宝石業界いろはの「い」 ~世界と日本の違い(4)~


・海外へ行っても今のままでは見せてもらえる宝石のクオリティは国内と変わらない

・日本人は宝石を見る目を養う必要がある

・宝石を見る目を養うことが価値のある宝石を買うことができるスタートライン



こんにちは、Web担当の方の斎藤です。
前回に引き続き、
世界の宝石業界と日本の宝石業界がどれだけ違うのか、何が違うのかに関連して、
「宝石を買うなら海外で買うべきかどうか」をご紹介します。
この記事はシリーズになります。前回の記事はこちら。

はじめに断っておきますと、内容にちょっとキツイ表現があるかもしれません。
ですが、決して悪意はなく、単純に事実として述べているだけです。ご了承ください。


「宝石は海外の方がきれい」は正しい?

さて、前回、海外市場と国内市場で流通している宝石のクオリティは全く別物である、
とお話ししました。

ならば、「じゃあ宝石は国内で買わずに海外へ行って買えばいいのね!」と、
思われた方もいらっしゃると思います。
ところが、残念ながら話はそう簡単ではないのです。

というのも、世界の宝石業界曰く、日本は「ごみ溜め」なのだそうです。
昔は「東洋」、とアジアをひっくるめてそのように言われていたようですが、
近年になって中国などはそうではなくなったようです。

この「ごみ溜め」とはどういう意味か。

ひどい言い様ですが、一応理由があって、
海外(宝石の本場)では身に着けず、工業用に使うような(たとえばブラックダイヤ等)
ほとんど価値のないくず石もきれいだと言って、喜んで身に着けるからだそうです。

価値観の多様化と言えば聞こえはいいかもしれませんが、
とどのつまり日本人は、本家本元から「宝石を見る目がない」と言われているのです。


日本人がどれくらい宝石を見る目がないのかというと、
たとえば、フレンチであれイタリアンであれ、
なんでも本場の物が一番おいしい、かどうかはともかく、
少なくとも、本場で生まれ育ったその国のシェフが一番詳しいと思います。
これはどういう料理で、どういう食材を使っているか、
その作り方まできちんと説明できるはずです。

もし、一番新鮮でおいしいものを食べたいのなら、
その地元の農家、あるいは、
漁師さんの所へいけば、海のどこに行けば何がいるとか、
捕れるとか、詳しく説明してもらえるはずです。
そして、一番おいしい食べ方を知っているのも、その地元の方のはずです。

ということは、宝石なら、日本で産出される宝石については、
地元民である日本人が一番詳しくなくてはおかしいですね?

その日本で産出される宝石と言えば、真珠と珊瑚です。
特に真珠と言えば本場、伊勢ですね。
これは海外でも、真珠と言えば「伊勢」なのだそうです。
「日本」のどこでもいいわけではなくて、日本の「伊勢」で採れたもの限定ですよ。
このように、真珠の本場が伊勢であることは、どなたでもぼんやりご存知のことと思います。
では、真珠について一番詳しいのは、伊勢の真珠屋であると誰もが思いますよね?
ところが、真珠について説明を求めると、
伊勢で真珠を作っている人ですら説明できないんです。

どういうことかというと、
花珠等の種類はわかっても、この色はどうやって出したのかとか、
この真珠はランクで言うとジュエリーなのか、ジェムなのかという判別ができないんです。

ダイヤモンドの鉱山主は、その鉱山で採れた
最も価値のある一番美しいダイヤモンド(=ジェム)をコレクションしています。
自分の山で採れた一番美しいものなのだから、残しておくのは所有者の特権ですね。
当然、その残しておくダイヤモンドは自分で選びます。
伊勢の真珠屋もそうしたい。
でも、どれが一番美しくて価値がある真珠なのかわからないから、
どれを残せばいいのかわからない。
結果的に見る目のある外国のバイヤーが、一番美しい真珠を持って行ってしまうんです。

真珠の本場は日本だから、一番美しい真珠を買えるのは当然日本人、ではないんですよ。
そもそも自分で作っているもののはずなのに、価値判断ができないのはおかしな話ですね。

どうですか?
もったいないとかそんな程度の話ではないですよね?
現在の日本人の「宝石を見る目」というのは、
地元の宝石屋ですら、宝石の価値判断ができないレベルだということです。


このように無自覚に宝石を見る目のない日本人は、
世界から長らく「ごみ溜め」と馬鹿にされていて、
海外へ宝石を買いに行っても、ショップで見せてもらえる宝石はせいぜい、
一般的な装飾用のジュエリークオリティからアクセサリークオリティの宝石ばかりです。

資産価値のある本当に美しいジェムクオリティは、店の奥へ行かないと見せてもらえません。
ですが、日本人が行っても、門前払いとは言わずとも、
当然のように奥へは入れてもらえないのが現状です。
なぜなら先述のように、
どれを見せても日本人は「見る目がない」から、細かい価値判断ができない。
だから見せても無駄だと思われているからです。

実際、私が夫(店主)と海外へ宝石の買い付けに行ったとき、
日本人というだけで店員が店の奥へ引っ込んでしまって、
呼んでも出てきてくれなかった、というようなことがありました。
かれこれ10年くらい前の話ですが。

今は、「見る目はない」けれど「お金はある」ということで、
さすがにこれほどひどい対応はないかと思いますが、どちらにしろ、
見せてもらえる宝石(商品)の質は国内と変わりはない、ということです。


つまり、本当に価値のある「良い宝石」を買おうと思ったら、
そういう「良い宝石」を持っている人、
つまり、海外の宝石屋、もとい宝石を扱う人達に、
「あなたは宝石を見る目のある人だ」と認められなければ買えないということなのです。
宝石は本来、「買う」ものではなく「買わせてもらう」もの、意外と敷居が高いのです。

ということで、まとめると、

宝石の質は海外市場で流通しているものの方が上です。
でも、我々日本人が「宝石を買うなら海外で買うべきかどうか」、
というと、必ずしもそうではない。
現状では、海外へ行っても見せてもらえる宝石の質は国内と同じ、ということです。
つまり、海外で買うのも国内で買うのも中身は変わらないので、
もしあなたが本当に良い宝石を買いたいと思うのなら、
「宝石を見る目を養うこと」。これが一番の近道です。


今回はここまでにして、次回は「宝石を見る目を養うには」について、お話ししたいと思います。

2012年4月29日

宝石業界いろはの「い」 ~世界と日本の違い(3)~


・世界から仲間はずれにされていると損するのは業界の人(プロ)だけではない

・このままではいずれ日本人はジェムを買うことも見ることすらもできなくなる

・海外市場と日本市場での宝石はクオリティという意味で別物



こんにちは、Web担当の方の斎藤です。
前回に引き続き、
世界の宝石業界と日本の宝石業界がどれだけ違うのか、何が違うのかに関連して、
「世界から仲間はずれにされている影響がどこまで広がるのか」をご紹介します。
この記事はシリーズになります。前回の記事はこちら。


業界だけがピンチではない

さて、前回、日本の宝石業界が不勉強だから、海外の宝石業界からジェムを売ってもらえず、
仲間はずれにされている、とお話ししました。
ですが、この日本の宝石業界だけ仲間外れということ、
業界の人(プロ)だけの問題だと思いますか?

いいえ、
これはプロだけでなく、一般のお客様にも大変重要な問題でもあります。


なぜなら海外で宝石を買い付けてくるのはプロ(バイヤー)だからです。
先ほど述べたように、バイヤーに限らず、日本の宝石業界全体が、
宝石について不勉強かつ、目利きもできないために、
取引される宝石の中にジェムがないこともわかっていません。

並べられた汚い宝石の中にきれいなものがひとつ混じっていれば、
誰でもそれがランクの高いきれいな宝石だとわかると思います。

ですが、それがどのクオリティの宝石なのかわかっていないのが日本人なのです。

宝石を取引するなら、まず、その宝石が
アクセサリークオリティなのか、
ジュエリークオリティなのか、
ジェムクオリティなのか、つまり、宝石のランクがわからなければいけないのです。
それがプロです。

光りもしない汚いアクセサリークオリティの中にひとつだけ混ぜられた、
きれいなアクセサリークオリティの宝石を買わされているのが今の日本なのです。
きれいだと思って買い付けてきたそれの質は、
実は変わっていないことがお分かりになるでしょうか?

分かりやすいような、分かりにくいような例え方をすると、
これってちょっとアイドルグループと似てるかもしれませんね。
似たようなかわいい女の子ばかり集めたら一人ひとりは目立ちませんが、
かわいい子の中に美人が一人混じっていれば浮いて見えるというか、まあそういう感じです。
でも、アイドルの中で選んだその美人の子の後ろには、
世界で通用する秘蔵っ子のたくさんのモデルやハリウッド女優が隠されているって感じですね。
ここの例えでは、アクセサリークオリティがアイドルで、モデルがジュエリークオリティ、
ハリウッド女優がジェムクオリティの宝石です。

さて、そんな下手な例えはさておき、
ここで大事なことは、つまり、海外で日本人バイヤー向けに出されるすべての宝石が
実はランクの低い宝石ということなんです。
そしてランクの低い物しか買ってこないバイヤーが帰る先は日本です。
そして日本で宝石を買うのは、あなた、つまり一般のお客様です。
もうお分かりですね。
日本にはそもそもクオリティの高い宝石がないのです。
はじめから選択もできないのです。

さっきの例えでいうと、日本のバイヤーは最初からアイドルしか見せてもらえないので、
日本にあふれているのはアイドルばっかりってことなんです。
しかも、いま困ったことに、海外のバイヤーが「アイドルで満足している日本人には必要ない」と、
日本に安い手切れ金を払って、残っていたモデルやハリウッド女優をみんな
海外へ連れて帰ってしまっているんです。

ああ、ここは例えない方がわかりやすかったですね。
つまり、海外バイヤーが、日本にかろうじて残っているジェムやジュエリーを、
根こそぎ安く買い叩いて、海外で高値(元の価値)で売りさばいているんです。
とにかく、このままでは本当に、日本人には美しい本当の「宝石」と呼べるものが、
買うどころか、見ることすらできなくなってしまいます。
在庫はあるのに、欲しいと言っても「あんたに売るものはないよ」って言われてしまうんです。
そのくらい、日本の宝石市場は窮地にあるということを知っておいてください。

ということで、日本の宝石業界が、
世界から仲間外れにされていると「どこまで影響があるのか」、
答えは、プロも一般のお客様も含めて、日本人全員だということです。
みんながみんな、もっといい買い物ができるチャンスがあるのを知らないで、
高い買い物をしているんです。こんなの損だと思いませんか?

つまり、

ここで知っていてほしいことは、
世界の宝石市場で流通している宝石と、日本の宝石市場で流通している宝石は、
クオリティがまったく「別物」なんだということです。
そしてこのまま現状を放置することは、日本の宝石業界だけでなく、
日本全体(一般のお客様)にとっても損な状態だということです。


今回はここまでにして、次回は「宝石を買うなら海外で買うべきかどうか」ということをお話しします。

宝石業界いろはの「い」 ~世界と日本の違い(2)~


・日本市場には財産価値のある宝石(ジェム)はない

・日本にジェムがないのは日本人が宝石について知らなさすぎるから

・日本の宝石屋(プロ)はジェムがどれかという目利きができないでいる



こんにちは、Web担当の方の斎藤です。
前回に引き続き、世界の宝石業界と日本の宝石業界がどれだけ違うのか、
何が違うのかに関連して、日本にジェムがない理由をご紹介します。
この記事はシリーズになります。前回の記事はこちら。


日本にジェムがない理由

さて、前回、財産になる宝石はジェムだけであり、そのジェムは日本にはないとお話ししました。
「ない」というのは日本の宝石市場には「ない」ということです。
ではなぜ、ジェムはないのか。

そもそも、日本では宝石は基本的に「輸入品」です。
国内で生産できる宝石といえば、真珠と珊瑚くらいですね。

ということで、つまり、日本市場に出回らないということは、
ジェムは海外と日本とで取引されていないということになります。
「なんで取引されていないの?」と思われるかもしれませんが、
取引されなくなったのは今の話で、それも意外と最近の話のようです。

店主兼職人の方の齋藤、もとい、私の夫が聞いた話だと、
戦前くらいまでは日本市場にもジェムはあったそうなんです。
ちなみに日本の宝石業界史上、最もキラキラと輝いて美しかったダイヤモンドは、
だいたい35年くらい前の頃に出回っていたものがそうだという話です。

<-- こぼれ話 -->
余談になりますが、仮にもし、いま日本にそのようなジェムが存在するとすれば、
個人での持ち物だけになると思います。
それはその頃におじいさまかおばあさまがお買い求めになって、
大事に大事に持っていらっしゃるか、子孫の誰かが受け継いでいらっしゃるか、
というケースだと思いますよ。


そういう方は、ぜひ売らずに大事に「家宝」だと思って、子々孫々に受け継いでいってください。

今ではもう絶対にお目にかかれませんし、ぜひ欲しいと思っても、
もう手に入らない幻の類となってしまっています。
そもそも今売ってしまっても、買い取り基準がめちゃくちゃなので
安く買い叩かれて損をしてしまいます。
<-- ここまで -->

話を戻しまして、「日本でジェムの取引がなくなってしまった理由」です。
原因は日本の宝石業界の「勉強不足」にあります。

ご存知でしょうか?
日本では宝石のプロを名乗ろうと思えば、あなただって今日からでも名乗れるんです。
なぜって、資格も何もいらないんですから。
海外の宝石業界はそうではなく、
プロを名乗るにはものすごく勉強して厳しい条件の下に資格をとる必要があります。
日本で宝石を扱っている人(=プロ)というのは、
言葉は悪いかもしれませんが、ほぼこのような「素人上がり」になります。
海外と日本ではそもそも宝石屋になれるハードルが全然違うわけですね。
おおむね、宝石についての知識量や扱う責任は大人と子供くらい違うと思ってください。

日本の宝石業界は、宝石の本当の扱い方を知らないで商売しているわけです。
となると、当然色々問題も起こってくるわけです。
昔の日本の宝石業界は、今と違ってきちんと勉強して、
宝石のなんたるかをしっかりと学んでいた方たちでしたから、
海外との取引でジェムも扱わせてもらえていました。
きちんと宝石について価値の説明もできたし、宝石はどういうものがいいものかも、
もちろんちゃんと目利きできたのです。

ところが、問題は今の宝石業界の人たちです。
不勉強な上に、不勉強ゆえに目利きもできません。
日本では、宝石のプロになるのに、もともと資格も何もいらないわけですから、
勉強しなければ海外のプロとの知識量は、どんどん差が開いていってしまうわけです。
その結果、色々と問題を起こしてしまったようです。

問題というのはおおむね、
宝石業界の中で「やってはいけないことをやってしまった」、というルール違反ですね。
海外の宝石業界も、最初はそんな日本に目をつむってくれていました。
ですが日本側はそういうルールがあることも、
自分たちがルール違反していることすらわかっていないわけですので、
同じようにルール違反を何度も繰り返すわけです。
そういうわけで、とうとう「もう日本を相手にするのはよそう」と、
徐々に海外の宝石業界から相手にされなくなってしまったのです。


一連をたとえると、なんとなくこんな感じでしょうか。
仕事の取引相手(日本)が自分(海外の宝石業界)を馬鹿にしているんです。
でも相手は自分を馬鹿にしていることに気づいていないんです。
なんて失礼な奴だ、と普通は怒って取引をやめてしまうでしょう。
ここでは取引はやめなかったけれど、どうせ見てもわかっていないからと
取引の内容を質の低いものに変えた、ということです。
つまり、相手は物の価値も見方もよくわかっていないので、
上質なリンゴが傷物のリンゴに変わってもわかっていない、という話です。

このように取引の内容に重大な変化が起こっているというのに、
日本の方はまったく気がついていないわけです。


つまり、日本の宝石業界が宝石について勉強しなさすぎて、
何度も無自覚に問題を起こしてしまい、海外の宝石業界を怒らせてしまったわけです。
その結果で現状、世界から日本だけ、
ジェムを取引してもらえないという「仲間外れ」にされています。
でも、その仲間外れにされているということさえも、
日本の宝石業界は全然わかっていない、ということです。
わかっていないから、ジェムの取引はもうずっとなくなってしまったんです。
これが「日本にジェムがない理由」です。
詳細に説明するとすごく長くなるので、ものすごくざっくり説明しました。

まとめると、

日本の宝石業界(プロ)は、大体が宝石のことを全然知らないということです。
日本にジェムがない原因は、
プロが、「プロなのに」その宝石ひとつひとつについて、
その価値について説明も、目利きもできなくて、どれがジェムかわかっていないから
日本にジェムが入ってこなくなってしまったんだ、ということです。


今回はここまでにして、次回は「仲間はずれの影響はあなたにも」についてお話しようと思います。

2012年3月29日

宝石業界いろはの「い」 ~世界と日本の違い(1)~


・日本の宝石業界は仲間外れ

・資産価値のある宝石とはジェムのこと

・日本市場の宝石はランクが低くて海外市場の宝石はランクが高い



こんにちは、Web担当の方の斎藤です。
早速ですが今回は、世界の宝石業界と日本の宝石業界がどれだけ違うのか、
何が違うのかをご紹介します。
当店で扱う宝石(ジェム)に関しても基本となる話になると思います。


世界にあって日本にない宝石の違い

唐突ですが、実は、日本の宝石業界は世界の宝石業界から、
とてもとても言葉では言い表せないほど馬鹿にされています。

馬鹿にされているとは、「本当に価値のある宝石は売ってもらえない」ということです。
ここで言う本当に価値のある宝石とは、つまり、「資産価値のある宝石」のことです。
皆さんはお手持ちの宝石を担保、つまり引き換えに、
銀行からお金を貸してもらうことができるでしょうか?
ほとんどの方は、まず無理だと思います。
なぜならお金にならないからです。

ところが、世界、こと宝石業界の主流はヨーロッパですが、
海外では当然のように宝石を担保にお金を貸してもらえるのです。
なぜならお金になるからです。
と言ってもどんな宝石でもいいわけではありません。
宝石には3つのランクのようなものがあって、
それぞれジェムクオリティ・ジュエリークオリティ・アクセサリークオリティといいます。
ざっくり説明すると以下のような感じです。

ジェム:超特級品
ジュエリー:高級品
アクセサリー:一般品

詳しくはまた、おいおい記事にしていきたいと思います。

そして、担保にできるのは

資産価値があるジェムクオリティの宝石、つまり「ジェム」だけです。


「資産価値がある」とは、どういうことなのか。
具体的に言うと、たとえば30年前にそのジェムを100万で買ったとして、
今それを売った場合、その値段は必ず100万以上になっているということです。
それが存在する限り、価値は決してマイナスにはなりません。
というのも、ジェムはほとんど産出されませんので、すでに世に出ているジェムは、
新たに表面に傷などつけられず、そのままの形で現存する限り、
稀少価値があるとして、ほぼ永久にプレミアがつくのと同じだからです。

「プレミアがつく」というのは、わかりやすく言うと、オークションと同じです。
たとえば、モナリザは世界で唯一ですが、それを売るとなると、
欲しがる人は世界中にたくさんいますよね。
それと同じで、ジェムも需要に対して供給量が絶対的に少ないということです。
1つしかない物、あるいは数が少ないものに欲しがる人が群がれば、
それだけその物の価値(値段)は上がります。

そういうわけで、海外の銀行は絶対に損をしないことがわかっているから、
ジェムを担保として認めているのです。

日本でそのような銀行がないのは、そもそもジェムを持つ人が日本にほぼいない上に、
日本の宝石鑑定機関では、宝石の価値を決定する基準が海外ほど徹底していないため、
本当の資産価値がわからないからだと思います。
そもそも日本では、宝石が財産になるなんて、あまり一般的ではない考えではないでしょうか?


「私の宝石、前に下取りに出したとき、半額以下でがっかりしたわ」という方、
それは残念ながら、あなたのお手持ちのそれはジェムではなく、
アクセサリークオリティかそれ以下のもので、資産にはなり得ない宝石だったからなんですよ。


ちなみにジェムクオリティの宝石は、
1tトラック7000台分の「宝石(土は除く)」を採掘して、
ようやく0.2キャラットの粒が一つ採れるかどうか、 というくらいの稀少さです。
1キャラットは0.2gです。

一般の装飾用であるジュエリークオリティの宝石は、
1tトラック70台分で0.2キャラットが1粒採れるかどうか、という割合です。

そして、アクセサリークオリティの宝石は、
ジェムクオリティとジュエリークオリティ以外の宝石すべてのことですから、
ジェムクオリティの宝石がいかに稀少であるかが、ぼんやりわかって頂けましたら幸いです。

つまり、

「資産価値のある宝石」・「財産になる宝石」とは、ジェムクオリティの宝石のことで、
ジェムはその稀少性ゆえに年月を経れば経るほど価値が上がるから財産になる、
ということです。
そして、世界にあって日本にない宝石とは、ジェムのことです。
種類のことではなく、クオリティのことだったんです。


今回はここまでにして、次回は「なぜ日本にジェムがないか」をお話ししたいと思います。